中学受験体験記 アン・ローズHomestudy<15>
<15> 【小5・1学期】
テストの得点の不思議


4月になり、トーイは5年生になった。
学校ではクラス替えがあり、担任の先生も替わった。
新鮮な気持ちで登校しているようだ。

塾もクラス替えがあったけれど、ほとんど顔ぶれは変わらなかったらしい。
お引越ししていったらしいお子さんが抜けて、栄冠から2人マスターへという程度だったようだ。

新5年になってから今までに何度もテストがあった。
2週に1度のカリテ。
公開模試は3回。
他に春期講習の後のテスト。
あまりにテストがたくさんあって、親子ともどもテストが日常になりつつある。
結果もすぐにわかるから、盛り上がりも緊張感も薄れてきている気がする。
受けることよりも、復習することに重点を置くことに変わりは無い。

トーイのテスト結果で、不思議なことに気がついた。
どのテストでも得点がほとんど変わらないのだ。
ほぼ数点の間に綺麗に得点が収まっている。

当然毎回平均点や得点分布は違うから、偏差値や順位などは上下している。
模試で表紙に載ることもあれば、その10倍以上の順位になったり。
偏差値は公開模試だけしか出ないけれど、4教科総合で上下5くらいの開きがある。
平均するとかろうじて70を越えてはいる。

「ねえ、どうして毎回似たような得点なんだろうね?」
トーイに聞いてみた。
「そうなんだよね。なんでだろ?9割とりたいのになぁ。」
本人も気付いていたらしい。

毎回9割にちょっと届かない。
特にカリテは復習がメインなのだから、9割はとっておきたいところだ。
復習不足なのかなとも思ったけれど、答案を見てみるとそうでもないように感じる。
なんだか気の抜けたような間違いが多いのだ。

「どうして9割とれないんだと思う?」
そう聞いてみると、
「なんでだろう。いつも9割とろうと思って頑張ってるのにな」
と返事が返ってきた。
なるほど。ポイントはそこかもしれない。

「9割とろうって思ってるから、9割取れないんじゃないかな?」
そう言うと、トーイはきょとんとしている。
「とろうと思うととれないの?」
「そそ。9割とりたかったら、9割5分や満点とるつもりで問題にあたったほうがいよ。」
「へえ。そういうもん?」

うん。そういうもん。
あくまでトーイの場合だけれど、 最初から『9割』を目指すから、結局ミスが出て9割を割り込む。
残りの1割はとれなくてもいいと思っているから、粘りが足らなくなる。

以前塾の講師をしていたとき、先輩講師の方に言われたことがある。
「授業で10教えようと思ったら、その2倍3倍は準備しておかないといけない。」
『2倍3倍』というのはあくまで言葉のあやであって、もちろんそれが10倍だろうとかまわない。
要は、『結果は目標を下回る』ものだということだろう。

トーイが4年生のときYT提携塾で月例テストを受けていたとき、後半は毎回満点を目指していた(「気持ち」だけだけれど)。
結局全教科満点だった回は無かったけれど、9割を割り込むこともなかったように思う。
満点をとろうとしているときと、9割を目指しているときでは、勉強する姿勢も当日のテストに対する集中力も自ずと変わってくる。

そんな話をトーイにした。
「なるほどね〜。なんとなくわかった。9割でいいやって甘えちゃってたのかも。」
それに気付けば話は早い。

実際の入試では、(学校によるけれど)満点を目指す必要はない。
「選抜テスト」は、合格最低点を上回ればよいのだから。
けれども、日常の復習をメインに据えたテストでは別だ。
教わったことのどれだけが身についているかを確認するのが日ごろのカリテや模試だ。

N研の公開模試は、必ずしも教わったことが出るわけではない。
「範囲の無い」テスト。
だが実際に復習をしてみると、4年生でのYT提携塾でも含め、習ったことだけでも9割になることがほとんどだった。

「習ってないところが出て、知識がないと解けない問題なら仕方ないけれど、よく考えればできる問題だってあるよ。」
「そうだね。だったら今度からは満点を目指すつもりでやってみるね。」

重いプレッシャーにならない程度の緊張感と向上心は必要だ。
偏差値や順位は、5年生の今の段階では「おまけ」だと考えていいと思う。
今は得点力をつけること、そのほうが大事だと考える。

そして昨日、カリテがあった。
自己採点して見せに来た。
「得点どうだった?」
なんだか変な顔で笑っている。
ん?

「またまたいつもと同じくらいの点数だった。」

うはは(^^;
ま、すぐに成果が現れるものでもないかな。
ともかくは9割弱の得点はコンスタントにとれるような実力はついたってことでよしとしようね。

トーイは学校で2つも委員を引き受けてきた。
わたしも役員掛け持ちで、「親子だねぇ」と笑いあった。
「やれるときにやれることをしたいもん。」
うんうん^^ おんなじ気持ちさ。

学校で「今年の目標」という宿題が出た。
トーイは「忘れ物をしない。」と書いていた。
がんばるんだよー(^^;

もうひとつ、「運動会でリレーの選手になりたい」とも書いてある。
去年は補欠だったから、今年こそは、と思っているらしい。
そういえばずいぶん背も伸びてきた。
今までは背の順ではずっとちょうど真ん中くらいだったのに、いつのまにか後ろから数えたほうが早いほうになっている。
高学年になるともう、『早生まれ』なんて関係なくなってくるんだね。

学校。二つの委員。クラブ活動。塾。テスト。体を鍛える。
やることはたくさんたくさんあるけれど、ひとつひとつが大切なこと。
いろんなことに対して前向きなトーイを応援したいと思う。

春。新芽が伸びる季節。
そして新年度の目標もどんどん沸いてくる季節。
やがて梅雨になり、暑い夏が来て、そして木枯らしの冬になって。
季節は時に君に試練を与えるだろうけれど、今の芽吹きの気持ちを忘れずにいてほしい。

そしてわたしも君に恥ずかしくないように、毎日を過ごしていこう。



back← →Next



StudyTopへEnRoseHOMEへ